インターネット


インターネットとは

インターネットのルーツは、1970年代にアメリカ国防総省高等研究計画局(DARPA)が出資して作ったARPANETである.その後、1986年に全米科学財団(NSF)が学術研究用のコンピュータネットワークとしてNSFnetの運用を開始し、ARPANETもNSFnetに接続された.当初は56kbpsの専用線を使ったが、その後、IBMやMCIなどが運用するようになり、高速化が急ピッチで進められ、今日ではバックボーン回線にはGbpsレベルの超高速伝送回線が使われている.
一般にコンピュータはそれぞれ機種ごとに独自のプロトコルがあり、プロトコルの違うコンピュータ同士や、そのコンピュータがつながれているネットワークをそのまま相互に接続することはできない.この違いを調整してネットワークを相互接続できるようにした際に用いたプロトコルをTCP/IPと呼び、実質的な世界標準になっている.このTCP/IPの採用によってNSFnetのユーザ数は急増し、バックボーンとしてのNSFnetを介して多数のネットワークが相互接続された.このNSFnetに接続している世界中のTCP/IPを使うネットワークを総称して「インターネット」と呼んでいる.

次世代インターネット

現在のインターネットが持っている問題点を解決して、新しいアプリケーションを創り出すための計画がアメリカで進められている.NGI(Next Generation Internet)はアメリカ政府が主導する次世代インターネット計画である.現在のインターネットの100〜1000倍も高速なインターネットのテストベッドをつくり、全米各地の政府系研究機関や大学などを結んで、各種の実験やアプリケーションの開発を進めようとしている.バックボーンネットワークには「vBNS」という620M〜2.5Gbpsの超高速光ファイバ伝送路が使われ、全米の100拠点以上を結んでいる.
「インターネット2」は、全米の120以上の大学が参加して、高度な研究や教育現場に適したインターネット技術の開発を目的にしている.NGIが政府主導でインターネットの応用技術を主な研究対象にしているのに対して、インターネット2は大学主導で、アプリケーションも含まれているが、インターネットそのものに重点を置いた研究プロジェクトである.インターネット2は地域ごとにGigaPoPと呼ぶネットワークをつくり、地域内の大学を結ぶとともに、GigaPoPを介して商用インターネット接続事業者や超高速バックボーンネットワークと接続される.

インターネットの構造

インターネットは、最初のうちは研究所や大学が利用するものだったので、パソコンやコンピュータなどの端末はまず構内のLANに接続され、そのLANとLANをサーバとルータを経由して専用線で結んで広域ネットワーク化した構造になっている.
新しくインターネットに加わりたいLANは、ルータを介して専用線で近くのLANのルータに接続すれば、インターネット全体の端末と通信できるようになる.このようにして接続されたLANが次々と増えていって、全世界に広がったのが今日のインターネットである.
その後、商用インターネットが始まり、一般家庭のパソコンもインターネットにつながるようになった.具体的には、家庭のパソコンからプロバイダのアクセスポイントまでは、電話回線やISDNなどのアクセス回線を使って接続し、アクセスポイントにあるルータから高速デジタル専用線で他のプロバイダのルータに接続する.これを繰り返していけば最終的に大きなインターネットが形成される.
プロバイダには大規模な1次プロバイダ、小規模な2次プロバイダ、3次プロバイダ・・・とあって階層的につながっている.各プロバイダは契約したユーザを持っていて、ユーザ数に応じたサーバやルータを設置する.

イントラネット(intranet)

インターネットの技術をそのまま使って企業内など閉じたネットワークにしたのがイントラネットである。イントラネットはインターネットともスムーズに接続でき、外部の情報も自由に入手できるのが普通である。社員も外出先から社内のコンピュータにアクセスして情報のやりとりができる。
ところが外部の人に企業秘密の情報を自由に見られては困るので、イントラネットでは社内のネットワークと外部のインターネットとの間にファイアウォールを設けて、第3者が勝手に社内ネットワークに侵入できないようにする。ただし社員にはパスワードやID番号を使ってアクセスできるようにしておく。
これを企業内から同一系列の企業間にまで広げることもできる。その際、インターネットを経由してそれぞれのイントラネットを接続すればよいが、セキュリティの確保のためインターネットのVPN(仮想私設網)を使って外部の人に情報を盗まれないようにする。これを外部の関連企業や顧客先にまで広げたのがエクストラネット(extranet)である。